2022 年 1 巻 1 号 p. 70-79
インフラ施設の老朽化対策が声高に叫ばれる昨今,AI等の活用によるDX推進だけでなく,インフラメンテナンスに対する新たな概念として,市民協働の重要性も広く認識されるようになった.一方で,インフラに対する市民のユーザー意識が乏しいことにより,インフラメンテナンスが社会のニーズとなっておらず,維持管理を推進する上での課題となっている.上記を踏まえ,本論文では周南地域で2015年から活動を継続しているしゅうニャン橋守隊の取組みについて,「橋守活動」「市民協働」「広報」の視点から紹介するとともに,参加者へのアンケート調査を実施し,その回答を分析することで本活動の具体的な効果や活動コンセプトについて振り返る.本論文が,同じ悩みを有する全ての関係者が市民協働への第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いである.