2023 年 2 巻 1 号 p. 11-20
次世代の橋梁長寿命化修繕計画の実践を通じて,ライフサイクルコストの縮減による効果には限りがあると考え,社会インフラの実態を十分に周知した上で,これらの存在によって得られる恩恵をより広げることが重要であると考えている.そこで,現代における橋の新たな価値を創造し,この価値から社会活動や日常生活の向上等に資する橋のみを守り,場合によっては新たな機能を拡充した橋へと更新することで,橋の存在によって新たな恩恵を享受することができる.本論文は,メンテナンスの区民協働を通じて橋の新たな価値を創造するために,広報活動とアンケート調査を実施し,この調査結果を報告するとともに,メンテナンスの区民協働の実践に向けた課題と今後の展開について示した.