2023 年 2 巻 1 号 p. 31-35
新幹線軌道の道床交換作業後は,初期沈下による列車動揺の発生防止を目的に,翌日の営業速度を160km/h以下に設定している.新幹線の高速化に伴って総遅延時分の削減が求められる一方で,設備の老朽化により,徐行を伴う保守工事の増加が予想されることから,道床交換時の徐行速度を向上可能な施工方法を検証することが求められた.今回は,道床交換作業の施工方法の検討と加振機能付き小型マルチプルタイタンパー(以下,UNIMA)を活用した道床安定効果を検討した.また,シミュレーションに基づき,徐行速度の速度向上の検討を行った.これらの結果により,列車通過による沈下量を抑制する改良施工方法とUNIMAを用いた適切な加振方法の提案,および,それらの工法を用いた試験施工において,徐行速度210km/hへと速度向上させても列車動揺に大きな差が無いことを確認した.