2024 年 3 巻 1 号 p. 106-115
臨海部や感潮河川付近に位置する都市鉄道トンネルにおいて海水に由来する塩化物イオン混じりの漏水の影響によって剥離剥落や鉄筋腐食の変状が発生している.首都圏における営業線内では制約条件として短い施工時間や狭い施工スペースが挙げられ,従来の亜硝酸塩系の混和材を配合したポリマーセメントモルタルによる断面修復工法を営業線で適用する場合には吹付速度や吹付厚さなどの施工性や付着性に課題が残る.そのため繊維入りポリマーセメントモルタルにカルシウムアルミネート系混和材の急硬材と塩分固定材を配合し,液体可塑剤を吹付設備の先端ノズル手前で添加する2材ショット方式の新たな断面修復工法を開発した.その結果,従来工法と比較して遮塩性は同程度で,施工性や付着性などの性能が向上したことから工事費の30%縮減が可能となった.