2024 年 3 巻 1 号 p. 196-202
生産年齢人口の減少やデジタル社会への転換など,鉄道業界を取り巻く社会環境や価値観は変化しており,設備メンテナンス部門では,これまで以上に従事員を安定的に確保することが難しくなると予想される.このような状況の中で,鉄道が持続的成長を果たすためには生産性の高い業務執行体制を構築する必要がある.そこで本研究では,MTT(マルチプルタイタンパ)による施工不能箇所に着目し,人力作業の省略に向けた検証を行った.その結果,不能箇所およびMTT扛上量の関係において,一定の条件を満たすことで人力作業を省略しても線路状態は悪化せず維持できることが示された.