2024 年 3 巻 1 号 p. 248-257
JR 東日本では,海岸線から概ね1km以内に位置する鉄道コンクリート橋梁で,塩害による変状が多く発生している.主な対策として,PC橋には電気防食工法,RC橋には塩化物イオン吸着剤を用いた断面修復工法を適用している.これは,各工法について対策後20年超の経過観察結果から,工法の長期耐久性評価と塩害抑制効果などを総合的に勘案し,当社における塩害環境下の橋梁に対する維持管理の基本的な考え方として整理した結果である.以下に,これまでの取り組み内容を示し,提案する維持管理方針と今後の塩害に対する維持管理の方向性を示す.