2024 年 3 巻 1 号 p. 258-264
特殊分岐器(可動ダイヤモンドクロッシング,シングルスリップスイッチ,ダブルスリップスイッチ)は,構成する部材が多く,かつ構造が複雑であることから,分岐器管理の中でも特に保守に苦慮し,たびたび設備故障を発生させている.JR東日本(以下,当社)においては,これら特殊分岐器の設備故障防止に向けて,特殊分岐器の構造強化対策の実施及び撤去の推進,管理標準等の策定,更には近年発生した事象に対して原因の究明,対策の検討並びに再発防止策を図った.その結果,当社東京圏における設備故障の発生件数は,約20年前と比較して約84%減少し,特殊分岐器1組当たりの設備故障発生率は,約20年前の約49%から約10%まで減少した.