2025 年 4 巻 1 号 p. 11-20
中小河川に架かる橋梁の定期点検では,橋梁点検車を用いる場合が多く,特に車道の有効幅員が6.0m未満の場合には,一時的な全面通行止めを伴う交通規制が必要となり,交通管理者や消防への事務手続きの他に,地域住民に対する事前の広報が必要となっている.また,点検時には調書に変状等をスケッチした上でデジタル画像により記録し,後日PCを用いて点検調書を作成している.橋梁の定期点検の実務では,事前準備から点検調書作成までに多くの労力が必要であり,効率的な定期点検が求められている.
そこで本稿は,都市部の中小河川に架かる橋梁を対象として,空中ドローンと画像診断サービスの導入による効率的な定期点検を目指し,これらの導入に対する課題と,この課題への対応について報告する.