2025 年 4 巻 1 号 p. 1-10
橋梁の予防保全においてその健全度の低下を精度よく予測することは重要である.橋梁の健全度は交通量の増加に伴い低下するのが一般的であるが,ある特定の気象要素の基では橋梁の健全度低下に交通状況の影響が顕れない場合があることが報告されている.本研究では日本全国の国道のコンクリート道路橋533橋を対象に,健全度と交通状況(日交通量,日大型車交通量,大型車混入率)との関係に対する複数の気象要素の影響分析を行い,その影響によって交通状況に伴う健全度低下が顕れない(潜在化する)気象要素とその条件を検討した.その結果,潜在化には年最低気温が大きく影響し,その目安が-5℃以下であることがわかった.