2025 年 4 巻 1 号 p. 130-139
事業費の変動は,目に見えない地盤の不確実性等のため,とりわけ地盤に起因する要因が多いとされている.そこで,本研究では,まず,道路事業を対象に事業費の地盤に起因する変動特性を定量的に把握し,その実態をつかむことを目的に,事業評価の再評価レポート(518件)等による統計的分析を行った.分析結果より,事業費増加の約2/3は地盤に起因することと,その増加特性は対数正規分布で近似可能であることを示した.また,増加の要因の約2/3は,地盤の強度,岩盤の硬度等の地質条件の見込み違いによることと,その一方で,工種に応じた特徴的な要因が見られることを示した.次に,地形判断に関するケーススタディ調査及び事業費算定に関する海外事例調査を実施の上,インフラマネジメント方策の一環として,今後の対応方策のあり方に関する検討を行った.