2025 年 4 巻 1 号 p. 167-174
JR 東日本では,疲労き裂など微細な損傷を捕捉するため,塗装塗替え時の足場を活用して近接目視検査を行っている.中路プレートガーダーの近接目視検査で,主桁下フランジの首溶接などに疲労損傷を発見した.主桁の疲労損傷は落橋に繋がる重大変状であり,列車の正常運行を脅かす恐れがあることから,同種の変状の未然防止が求められる.本取組みでは疲労損傷の発生原因を推定し,同じ損傷が発生しやすい構造上の特徴を整理し類似橋りょうの調査を行った.発生した疲労損傷に対しては補修を行うとともに,同種変状の予防のため補強構造を提案した.