2025 年 4 巻 1 号 p. 182-190
道路管理者は予算制約のもと効率的な舗装管理が求められている.アスファルト舗装における1つの管理方針として,粒状路盤層を半永久的に使用し続け,アスコン層の打換えを繰り返すことが考えられる.こうした管理を実現するには,粒状路盤層にかかる負荷を一定以下に抑えることが重要であり,この負荷を把握する指標には,粒状路盤層上面の鉛直方向圧縮ひずみが考えられる.本研究では,直轄国道の同一路線内の路盤の圧縮ひずみが異なる3箇所で開削調査を行い,アスコン層および粒状路盤層の損傷度と路盤の圧縮ひずみの関係を検証した.検証の結果,圧縮ひずみが大きい箇所ほどアスコン層の損傷度は大きい傾向であった.一方,粒状路盤層は密度に差がみられなかったが,圧縮ひずみが大きい箇所ほど粒状路盤層以下の支持力が小さい傾向が確認された.