2025 年 4 巻 1 号 p. 191-200
道路橋等インフラの予防保全型維持管理の必要性が議論されている.しかし,道路橋支承部は事後保全的に維持管理が行われる場合が多い現状がある.本研究ではその現状を招く要因が支承部の劣化メカニズム及び劣化と機能の関係が明らかでない点にあると考え,それらを明らかにするための研究を行った.方法として橋梁に設置された鋼製支承を対象にその可動部に塩水を吹きかけることで腐食を促進し,温度変化に対する変位追随機能等の変化を約半年にわたりモニタリングした.その結果,腐食の進行に伴い変位追随量が変化するメカニズムが明らかとなり,加えて,支承可動部の腐食と変位追随機能の変化の関係を実証的に示した.