2025 年 4 巻 1 号 p. 201-208
鉄道のバラスト軌道において,隣接区間より路盤剛性が低下する箇所では,列車荷重によりバラスト軌道が局所的に沈下することがある.このような場合,保守頻度が増大しやすいため,路盤改良により路盤剛性を増加させる必要がある.また,夜間の列車の施工時間が短い都市部では,短時間で施工が可能な透水性スラグモルタルを用いた路盤改良工法が用いられる場合がある.しかし,適切な路盤改良厚を算定する方法がなく,これまでは列車荷重や路床の条件に関わらず一定の路盤改良厚が設定されていた.そこで,本研究では,透水性スラグモルタルを用いた路盤改良工法を構造物境界部に適用するため,列車荷重で生じる路盤変位の目標値を提案し,その目標値を満たす路盤改良厚を設計した.また,設計した路盤改良厚を基に路盤改良を実施し,路盤改良前後の高低変位進みを評価した.