2025 年 4 巻 1 号 p. 209-219
高度成長期から集中的に建設された橋梁の老朽化の進展により,集約・撤去を老朽化対策の選択肢の一つとする動きが進められている.しかし,集約・撤去を判断するための具体的な評価指標は未だ示されていない.そこで本研究では,既存橋梁の集約・撤去を検討するための基礎検討として,既存橋梁が保有する撤去または継続利用に関する潜在的可能性(ポテンシャル)を定義し,撤去または継続利用のポテンシャルに関する評価項目を提案した.そして,各評価項目の評価区分と設定値を仮定し,茨城県の既存橋梁の一部に対してシミュレーションを行った結果,撤去ポテンシャルと継続利用ポテンシャルの差から,既存橋梁の撤去または継続利用の判断ができる可能性を示した.