2025 年 4 巻 1 号 p. 230-239
鉄筋コンクリート床版の診断に対して重要となる情報としては,ひびわれの有無,幅,長さ,方向の4つである.このため,点検作業においてはこれらの情報を正しく記録することが求められるが,その一方で,より忠実に記録するためには時間を要することとなる.特に点検作業が夜間に限定される跨線橋の場合においては,一般的な橋梁点検に比べて点検作業に確保できる時間が3割程度となる.したがって,より多くの情報を正しく記録するための点検手法を導入することが求められている.そこで本報告は,点検の作業時間や光源が限られる跨線橋の定期点検において,デジタル画像を活用した橋梁点検を実施し,この取組みからデジタル画像を取得するための機材の仕様や撮影条件の違いによる影響を明らかにするとともに,これらが画像診断サービスに与える影響について報告する.