インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
実践研究論文集
一支承線を構成する支承間の変位差に着目した支承可動部の機能状態の把握方法の実証的研究
浅子 卓也小林 巧大住 道生
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2025 年 4 巻 1 号 p. 240-248

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抄録

 道路橋の支承部は上部構造と下部構造の設計上の境界条件を与える役割であり,可動を想定していた部位の機能が低下した際には設計の前提を破綻させ上下部構造に想定外の応力等を生じさせるおそれがある.そのため,支承部の点検時には,活荷重や温度変化等による上部構造の水平変位や回転変位に追随可能であることを確認する必要がある.しかし,一般に支承可動部の機能を外観目視のみで把握することが困難である.そこで本研究では,一支承線を構成する各支承相互の車両走行に対する応答変位の差に着目し,変位計等を用いて支承可動部の機能の状態を把握する方法について検討した.その結果,健全な場合は各支承の設置位置とその応答変位の間に相関関係があり,機能の低下に伴いその関係が変化することが明らかとなった.

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