2025 年 4 巻 1 号 p. 285-293
本研究では,道路橋RC床版での舗装打換工事の際に打音法を適用し,得られたスカログラムを,RC床版供試体で構築した事前学習済み畳み込みニューラルネットワークによる欠陥分類モデルで自動分類することを試みた.事前学習済みモデルにはVGG19_bnを,モデルの学習にはファインチューニングを利用している.道路橋RC床版で得られたスカログラムを分類した結果,健全部の正答率は98.4%と非常に高かったものの,欠陥部の正答率は46.8%と低かった.そのため,欠陥分類モデルの精度,特に欠陥部の精度について課題を残す結果になった.今後は,モデル構築において道路橋RC床版のデータを活用することで,十分な精度を担保できるように改善する必要がある.