1979年にドイツから日本に導入されたテルミット溶接法は,普通鉄道では最も適用されている溶接法である.しかしながら,テルミット溶接部の曲げ疲労強度は,エンクローズアーク溶接法など他の溶接法に比べて低いなどの理由で,新幹線高速走行区間への適用はこれまで制限されてきた.一方で,新幹線の現場溶接法であるエンクローズアーク溶接法は,技術者不足などの課題がある.そこで本研究では,新幹線高速走行区間にテルミット溶接法を導入するために,曲げ疲労強度を向上させることができる工法を開発するとともに,開発した工法で施工した溶接部を高速走行区間に試験敷設し,溶接部の継手性能を調査した.その結果,累積通過トン数約7250万トン経過時点において,問題が発生することなく良好に推移していることを確認した.