インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
実践研究論文集
超音波法によるウェブ厚推定を利用したPCポストテンションT桁橋のグラウト充填調査
大野 健太郎岩野 聡史後藤 幹尚岩波 光保
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2025 年 4 巻 1 号 p. 318-327

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抄録

 本稿では,1960年代に架設されたPCポストテンションT桁橋のグラウト充填調査を超音波法により行った.グラウト充填の判断指標には,超音波法によるウェブ厚推定値と設計上のウェブ厚との誤差率を使用した.ウェブ厚推定には,超音波の縦波多重反射周波数による推定方法を新たに提案した.提案法では,ウェブ厚推定に使用する速度を透過法により取得した速度と,透過法の速度の±10%程度の変動を許容する場合の2種類を提案し,前者では誤差率10%未満,後者では誤差率1%未満をグラウト充填の判断基準とした.その結果,それぞれの手法の誤差率分布状況が対応し,グラウト充填の判断基準を超える箇所ではグラウトの充填不足が生じていることがX線透過法から確認され,本手法によりグラウト充填状況が誤差率分布として把握できることが示された.

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