2025 年 4 巻 1 号 p. 358-367
本研究の対象橋梁は,1959年(2024年現在,65年経過)に竣工された橋長15.0mの単純鉄筋コンクリートT桁橋である.対象橋梁は,近接目視点検により,主桁,支承および下部構造において健全性 IIIの判定を受けた.このような劣化した中小規模の橋梁に対する補修・補強や撤去・更新の最終判断は,非常に難しい問題である.本研究では,このような問題に対して,コンクリートの材料調査からのアプローチに加え,試験車2台を用いた静的載荷試験と有限要素解析の両面から主桁の構造性能評価を行い,残存耐荷力を明らかにすることで補修・補強や撤去・更新の判断材料の一つを提供した.