2025 年 4 巻 1 号 p. 348-357
劣化した既設ガードレール支柱に対して,鋼管内部に鉄筋コンクリート部材を3つに分割挿入し,内部で1つの部材に接合して支柱を補強する方法を提案した.高さ10mmの台形状のせん断キーを用いた分割部材の一体化について検討した結果,部材の曲げ破壊まで達し,鋼材の強度と鋼材量を確保した場合において設計耐力を満足することができた.定性的な解析の結果,分割部材の鋼管による拘束が効果的に機能し,部材界面に設けられたせん断キーがせん断力を伝達することで,一体化部材として曲げモーメントに抵抗すると推察した.