2025 年 4 巻 1 号 p. 69-78
軟弱な埋め立て地盤上に整備された東京国際空港では,空港機能を適切に維持するために,滑走路や誘導路等の舗装の標高を計測・管理する夜間測量作業(空港舗装動態観測)を過去30年以上にわたって継続して実施してきた.しかし,近年の働き方改革に伴う労働環境の改善や労働力不足への対応が求められる中で,夜間の人力による測量作業の軽減が重要な課題となっている.本研究は,空港制限区域への夜間の人の立ち入りを最小限度にとどめることが可能な新たな測量手法の検討とその空港舗装動態観測への具体の適用方法を提案することを通じて,東京国際空港における夜間測量作業の最小化と,併せて空港舗装動態観測データのデジタル化を図り,もって空港舗装維持管理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一助とすることを目的とする.