インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
実践研究論文集
橋梁定期点検の義務化をチャンスと捉えた定期点検実務のスパイラルアップとコスト縮減
木下 義昭
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2025 年 4 巻 1 号 p. 58-68

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抄録

 市町村は約7割の橋梁を管理しているが,修繕実施状況は措置完了率62%に留まっている.2023年度において我が国の橋梁定期点検は2巡目を完了しているが,財源不足を抱える市町村においては自主財源を多く必要とする定期点検のコスト縮減は重要である.本稿では,玉名市役所における橋梁定期点検の実務を事例とし,法令に基づき定期点検が今後も繰り返される点に着眼し,1巡目から3巡目における点検業務の段階的な改善を立案した上で,1巡目での記録の拡充により2巡目において劣化進行有無の調査を実践するなど,最前線の実務者の立場で1巡目から3巡目までの定期点検を段階的に改善しながらスパイラアップしたボトムアップによる実務改善のプロセスについて述べるとともに,3巡目点検時において橋梁定期点検費用を約3割縮減した最前線の実務事例について示す.

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