インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
実践研究論文集
同一構造区間におけるバラスト軌道の沈下再発メカニズム
廣尾 智彰中村 貴久河野 昭子
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2025 年 4 巻 1 号 p. 79-84

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抄録

 軌道構造と支持構造が同一の区間でも,つき固め作業後に軌道変位が徐々に元の形状に戻る事象が確認されているが,そのメカニズムの詳細は明らかになっていない.軌道検測データより,本事象の実態を調査した結果,マルチプルタイタンパよりもハンドタイタンパによるつき固め作業後に本事象が生じやすいことがわかった.また,本事象の発生メカニズムを検討するため,バラスト軌道の1/5縮尺模型を用いて,つき固め作業後に移動載荷試験を実施した.その結果,軌道のこう上量が局所的に大きい箇所で局所的な沈下が大きくなり,こう上量が局所的に大きくない場合は局所的な沈下が抑制されることがわかった.さらに,不連続体解析の結果,こう上量が大きい場合につき固め作業後のまくらぎ下100mmまでのバラスト密度が低下し,沈下が大きくなることがわかった.

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