2025 年 4 巻 1 号 p. 85-94
センターステイは,大規模地震時に損傷を許容する部材であるが,来島海峡第一大橋では疲労による損傷も発生している.このため,定期的に近接目視を行うとともに超音波探傷による検査を行っている.しかし,これらの間欠的な点検等ではき裂の発生や進展,破断について早期に把握することは困難である.一方で,近年,IoT技術を活用した無線ひずみ計測機器による疲労き裂の発生・進展をモニタリングする手法も提案されている.そこで,センターステイの常時遠隔監視手法の確立のため,実橋のセンターステイロッドに無線ひずみ計測機器を設置し,WEBプラットフォーム上で監視を行った.その結果,監視中にセンターステイロッドの破断が生じ,破断の兆候のモニタリング,破断の検知が可能であることを確認した.