2026 年 5 巻 1 号 p. 10-18
積雪寒冷地域では,路面の凍結を防止するため凍結防止剤を散布している.コストや融氷性能が優れる塩化物系の使用率が高い一方,沿道環境への影響が課題となっている.このような中,欧米諸国では,環境への影響が少ない酢酸系が使用されているが,本国では実用化には至っていない.本研究では,酢酸カリウム系凍結防止剤の冬期道路への適用を目的とし,刺激的なニオイ問題を解消するための成分改良,室内融氷性能試験,車両走行試験,実橋梁への散布試験を実施した.これらの結果,改良型酢酸カリウム系は,塩化カルシウム系と同程度もしくはそれ以上の融氷性能を示すことを確認した.また,散布によるすべり摩擦係数は,凍結路面に対して2.1倍の上昇,制動距離はおよそ3分の1の減少を確認するとともに,氷点下における路面の凍結防止効果を確認した.