2026 年 5 巻 1 号 p. 19-28
高度経済成長期に建設された多くの橋梁は,急速な老朽化が進行しており地方自治体にとってその維持管理が大きな課題となっている.橋梁の劣化は複数の要因が複雑に絡み合うため,予防保全や点検の優先順位付けが困難な現状がある.本研究は,年最低気温が低い条件で交通量の影響が認められない場合があるとの先行研究に基づき,全国のコンクリート道路橋516橋を対象に健全度指標(BHI)と日交通量の関係における年最低気温の影響を分析した.その結果,年最低気温が-5℃以下では交通量の支配性が失われる一方,-5℃から-2℃にかけては気温の上昇とともに線形的に支配性が高まることを明らかにした.これら知見は,橋梁の気象・交通条件から健全度を推定する手法を提供し,劣化リスクの効率的な評価と管理に貢献する可能性を示すものである.