2026 年 5 巻 1 号 p. 328-332
地すべり地の長期的な安定確保のためには,地すべり対策工の機能維持が重要であるが,地すべり対策工の一つである集水井工は,施工後長期間が経過すると,老朽化により施設の機能が低下することがある.集水井工内に立ち入っての作業は,酸欠や有毒ガス中毒,転落,管理用階段の老朽化などの危険性があり,安全管理面で課題がある.これらの課題点を解決する点検手法として,集水井工内へカメラを下ろして井筒内壁や集水管の状況を撮影,確認する手法が考案されており,従来の手法よりも安全かつ容易な点検が可能となってきた.大分県にて,360度カメラを用いて集水井工内の撮影を行い,撮影動画から静止画を切り出して繋ぎ合わせることで展開写真を,SfM 解析技術(Structure from Motion)を用いることで3Dモデル(3次元点群データ)を作成した.展開写真からは,ライナープレートの腐食・変形や集水管の詰まりを,3Dモデルからは井筒の変形状況を確認することができ,施設機能の評価において効果的であることが分かった.