2026 年 5 巻 1 号 p. 39-48
高度経済成長期に整備されたインフラストラクチャーの老朽化が進行して,様々な損傷事例が報告されている.昨今の社会・経済情勢から,これらに対してライフサイクルマネジメント(LCM)の考え方に基づいた予防保全を前提とした長寿命化対策の早急な構築と運用が求められている.一方,構造物の定期点検結果は離散(レイティング)値で得られることが一般的であるため,連続的な概念のLCMに基づいた劣化状態の把握や将来予測への適用が難しい.本研究は,北海道の橋梁に対して一元的な劣化評価と将来予測を行う目的で,定期点検結果より得られる離散値の損傷度判定区分を連続値の劣化評価値や劣化指数に変換して劣化状態の把握と将来予測を行い,さらにそれら確率分布のばらつきと裾野部の特性および劣化遷移の二重モードに関する考察を行っている.