2026 年 5 巻 1 号 p. 29-38
鋼橋の桁端部は早期に著しい腐食が発生しやすく,利用者の安心・安全を確保するためには高耐久な防食技術の開発が不可欠である.こうした課題に対して,筆者らはCold Spray技術を用いた防食補修技術を開発し,腐食損傷が生じている実橋梁の桁端部に対して試験施工を実施した.本論文では,100ヵ月間にわたる実桁端部の腐食環境下での状態を継続的に観察し,特に塗装の弱点とされる部材エッジ部に着目して,Cold Spray防食技術の長期防食性を検証した.その結果,素地調整で除去しきれず残存したさび箇所や部材エッジ部に対しても,現場施工で高純度の亜鉛皮膜が密着し形成できるため,桁端部のような腐食が促進される環境下においても長期防食性を確保する一手段として有効であることが実証された.