2026 年 5 巻 1 号 p. 49-56
能登半島地震(2024.1.1)によって生じた社会インフラの被害を背景に,本研究は低比重のカキ殻を中詰め材とした軽量土嚢による復旧工法の構築を目指す.特に,圧密による沈下問題が懸念されてきた河北潟干拓地において,カキ殻の特性を活かした軽量土嚢の有効性を検証するために,未破砕のカキ殻に対して破砕値試験を,適度に破砕させたカキ殻および比較材料(廃瓦,珪藻土の切りくず)それぞれを詰め込んだ各土嚢に対して載荷試験を実施した.これらの実験結果から,カキ殻は所定の荷重を閾値として破砕状況が大きく異なることを確認した.また,土嚢の剛性の指標となる割線変形係数は,すべての中詰め材の場合において圧縮応力の増加に伴って著しく上昇した.ただし,土嚢の剛性には袋の張力と載荷の過程で緻密化した中詰め材の強度が密接に関係している.