2025 年 2 巻 1 号 p. 10-13
既存インフラ構造物の維持工事では,梱包量が小さく多種・多様の材料を施工直前に現地で練り混ぜて限られた施工時間で使用するため,これまでは品質情報の実現可能な管理方法として代表値管理が行われていた.今後は維持工事後の管理を見据えて使用材料の全数管理が必要との考えから,品質管理情報の収集・管理を一元管理できる補修材料のトレーサビリティシステムを過去に開発して運用している.その後の現場適用で施工管理の効率化などの効果が見られた一方で,更なるシステムの効率化,ユーザビリティの向上,運用及び普及展開戦略の改善といった課題も明らかになった.これらを改善するためにシステムの改良の検討を行ったので報告する.