2025 年 2 巻 1 号 p. 39-44
(一社)土木技術者女性の会・(一社)茨城県建設業協会建女ひばり会・石岡市は,小中学生とその保護者を対象に,2021年から橋のセルフメンテナンスをテーマに次世代育成や地域住民連携につながるイベントを開催している.
橋などのインフラの老朽化が社会問題となっているなか,地域の住民が自ら橋などのインフラを点検して管理する取組みが注目されている.ここでは,日本大学工学部の住民主体型橋梁セルフメンテナンス「橋のセルフメンテナンスふくしまモデル」の開発者の支援を受け,茨城県石岡市が管理する橋梁を対象に,茨城県内に在住・勤務する建設産業の女性従事者が連携して行った点検体験イベントを紹介する.イベントに参加した小中学生や保護者の方々に興味を持ってもらえたことはもちろんのこと,簡易点検チェックシートやペーパークラフトなどの教材を用い小中学生や一般住民にわかりやすく伝える工夫や説明ツールの充実を図る試行錯誤は開催団体相互の学びあいの機会となり,地域のインフラのセルフメンテナンス意識醸成にもつながった.