2025 年 2 巻 1 号 p. 45-48
JR東日本では新幹線地震脱線対策の一環としてレール転倒防止装置の敷設を進めているが,東北新幹線における一部のトンネル区間内において路盤隆起の影響により敷設が難しい箇所がある.敷設にはCAモルタル(以下,CAM)を全面除去したうえで,軌道スラブを低下する施工(以下,スラブ低下)が必要となるが,当該箇所でスラブ低下を試みたところ,軌道スラブ下面にCAMが付着し,既存の方法での除去が困難であったため,新たな工法によりスラブ低下を行う必要が生じた.軌道スラブ下面側に付着したCAMの除去が可能な施工方法として,ウォータージェット(以下,WJ)を用いた工法の検討及び実施工を行った結果,軌道スラブ下面のCAM全面除去や,必要な付帯作業を含めた全工程を作業時間帯での施工が可能である知見が得られたことから,新たなスラブ低下の施工方法としてWJ工法を提案する.