2026 年 3 巻 1 号 p. 39-44
国土交通省のインフラ長寿命化計画では,「持続可能なインフラメンテナンス」の実現を目標とし,「予防保全」への本格転換が謳われている.鋼橋の2大損傷である“腐食”と“疲労”に対する予防保全として“塗替塗装工事”と“橋梁補修工事”がそれぞれ発注されている.塗替塗装で新たな塗装を施しても,その後に疲労による損傷に対する補修工事が実施されれば,足場再設置,塗膜再塗装等で維持管理コストが増大し,橋梁としてのライフサイクルコスト(以下,LCC)が増加する.LCCの観点から2大損傷に対して同時に対処可能なインフラメンテナンスの実現が望まれる.本稿では橋梁の塗替塗装工事と同時に,疲労に対する事後保全と予防保全を実施し,LCCの最適化を図った事例を紹介する.