2026 年 3 巻 1 号 p. 7-11
定期点検で健全度IIIと判定された鋼橋は, 補修工事を速やかに実施して, 錆による鋼材の腐食防止に努めることが肝要である.しかし, 鋼橋補修工事で普遍的に用いられる設計・施工分離発注方式では, 点検結果に基づく設計業務委託から始まり, 入札を経て選定された業者が補修工事を終えるまでに, 少なくとも2年の期間を要する.また, 近年の資材価格上昇に起因する入札不調で施工業者選定に失敗すれば, 補修工事は先送りとなり, この間に鋼材の腐食が進行する恐れも払拭できない.そこで, 本レポートでは, 設計・施工分離発注方式で工事費の抑制に失敗し, 直ちに設計・施工一括発注方式に切り替えて工期の短縮と工事費の抑制に成功した新国立競技場整備事業の教訓を踏まえて, 設計・施工一括発注方式の採用による鋼橋補修工事の迅速な実施方策を提案する.