抄録
原位置試験としてのコーン貫入試験は, 有用な地盤情報が短時間に得られ試験方法も単純であるという利点を有している. しかし, 我が国における地盤の物理・力学特性を求めるための調査は不撹乱試料採取と室内試験が主流であり, その際コーン貫入試験が実務で使われることはほとんどないのが現状である. 本研究は, 粘性土地盤に対するコーン貫入試験の適用性・有効性を実証することを目的としている. 本報告では, 土質特性の異なる国内外26ケ所の地盤調査により得られた新たな実測データに基づき, 地域性・堆積環境の相違によるコーン係数の変化が小さいことおよびコーン貫入試験から得られる各種パラメータを用いて粘性土地盤の設計に用いる土質定数を概略的に推定するための関係式を示す.