主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第46回年会
回次: 46
開催地: 愛知教育大学
開催日: 2022/09/16 - 2022/09/18
福島第一原発事故以降,わが国の学校教育段階における放射線教育の重要性が増しているけれども,意思決定ができる態度の育成や放射線の人体や環境への影響面の指導が課題である.この点に関して,イギリスの21世紀の科学教育の方向性を示した報告書’Beyond 2000: Science education for the future’において示されている科学・技術が関連する社会的諸問題は,トランス・サイエンス的な知識に関わる内容である.本研究では,イギリスのKey Stage3における放射線の取扱いを分析し,その特徴を明らかにした.その結果,①放射線と放射性物質の明確な理解が重視されていること,②生徒の日常的文脈から学習を始め,放射線について定性的・定量的に取扱う学習への展開が重要であること,③放射性物質を利用した科学・技術についての学習では,リスクを評価することが重要となること,が明らかとなった.