2005 年 2005 巻 804 号 p. 804_65-804_72
河川堤防や道路法面, 空港・公園等の緑地管理から大量の雑草刈草が発生している. この雑草は貴重なバイオマス資源であり, 積極的な利用が期待される. 本研究は, 干草と下水汚泥との混合嫌気性消化の効果を中温消化の実験により調べたものである. その結果, 干草の消化効率は下水汚泥と同等のレベルにあったが, 従来の消化槽では干草の均一な混合と円滑な引き抜きに支障がでる可能性が高く, 既設の嫌気性消化槽による混合嫌気性消化は不可能と判断された. そして, これに替わる, 消化液を干草に循環・散布する方式の有効性が示された. 干草と下水汚泥との中温・混合嫌気性消化法における干草からのガス発生率は390L-gas/kg-干草 (TS), 200L-CH4/kg-干草 (TS) であった. また, 干草の消化率は60%であった.