1995 年 1995 巻 519 号 p. 115-125
名古屋大学では, 鋼製橋脚の耐震性能を左右するパラメータの耐震性能への影響を調べるために薄肉の補剛または無補剛箱形断面を有する柱の単調載荷実験および, 繰り返し載荷実験を59体行ってきた. 本研究では名古屋大学および他機関の実験を総括し, 水平荷重, 変位に着目し幅厚比や, 細長比といった各主要パラメータの強度と変形能に及ぼす影響を調べ, 最高荷重値, 最高荷重点での変位および最高荷重以後の変形能を主要パラメーターにより表現しようとするものである. 名古屋大学では, 最高荷重後の変形能を有効に利用しようとする耐震設計法の確立を目指しており, このような強度と変形能を主要パラメータにより表現することにより, 耐震設計に対して有用な基礎資料を提供するものである.