1997 年 1997 巻 569 号 p. 53-63
非集計行動モデルに代表される合理的選択モデルは, 社会の中における他者の影響を無視した狭義の合理性に基づいたものであるが, 今後の公共計画や政策の評価には社会的相互作用下の行動や評価の分析が不可欠と考えられる. 本研究は, 社会的相互作用のもとでの人間の合理性に着目した個人選択理論の再構築を試み, 他者の効用レベルを考慮した離散型選択モデルの一手法を提案することを目的とする. また, 提案したモデルを都市における自動車利用自粛行動の意識分析に適用している.