土木学会論文集
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円筒土留壁体の液状化時挙動に関する遠心模型振動試験と数値解析的評価
松田 隆佐藤 清田中 紀和後藤 洋三
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1998 年 1998 巻 589 号 p. 11-20

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抄録
円筒土留の地震時挙動のうち, 地盤の液状化現象と壁体ひずみ成分を含む応答特性の関係に着目して, 大型遠心模型振動実験と動的有効応力解析を実施した. 実験対象を層厚22mの飽和地盤中にある外径20mの円筒土留として, 50Gの遠心場で実験を行った. その結果, 地盤が液状化したとき, 土留壁体の加速度応答は周辺地盤の加速度応答に追随しないこと, 壁体ひずみは軸方向成分が曲げ成分に対して卓越すること, 液状化前の壁体ひずみは地盤の加速度応答に関連し, 液状化後は過剰間隙水圧の値に関連すること, などがわかった. また, 動的有効応力解析結果から, 壁体に接する地盤中の過剰間隙水圧には大きな振動成分を有すること, 液状化層中にある壁体の円周方向の軸ひずみは下方ほど大きく, 同様に曲げひずみは上方ほど大きくなること, などがわかった.
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