1998 年 1998 巻 598 号 p. 149-159
本研究では, 要素内部の不連続面におけるモードIやモードIIのような不連続変位が表現できる有限要素定式化を, 拡張された仮想仕事原理の適用によって三次元的に行った. 一般化された解析法では, 不連続変位に関する自由度が有限要素支配方程式に現れず, 通常の有限要素離散化過程と同様な形となっている. また, 各種不連続破壊モードを統一的に取り扱うために, 非線形破壊力学モデルを適用した不連続面における構成則関係の提案を試みた. 最終的に, 変位の適合条件により導かれた二次元不連続変形場を用いて, プレーンコンクリート試験体のクラック進展解析および鉄筋とコンクリートの付着特性に着目した構成部材の曲げ破壊性状に関する解析を行った結果, 本研究手法の妥当性および有効性を提示した.