土木学会論文集
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長大斜張橋の終局強度解析と挙動に関する一考察
謝 旭長井 正嗣山口 宏樹
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1998 年 1998 巻 598 号 p. 171-181

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抄録

斜張橋は益々長大化する傾向にあり, その終局弓鍍を正確に推定することが設計上重要な課題となっているが, 長大斜張橋, 特に軸力が支配的となる主桁の耐荷力評価のための具体的設計法は確立されていないのが現状である. 斜張橋では, 長支間においても幾何学的非線形性の影響は小さいため, 断面の塑性化が終局強度に及ぼす影響は著しく, 弾性有限変位解析のみで終局強度を正確に評価することは困難と考えられる. したがって, 長大斜張橋の安全性と経済性を評価するためには, 材料非線形を考慮し, 終局状態での両者の非線形性が同時に考慮できる複合非線形解析を用い, その挙動を検討しておく必要がある. 本論文では, 多室箱桁の複合非線形性を考慮した三次元解析法を定式化し, 長大斜張橋の終局挙動を解析するプログラムを開発した. また, 中央支間1400mの斜張橋案を例として終局強度解析を行い, その非弾性挙動や終局強度特性を検討した.

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