1998 年 1998 巻 598 号 p. 183-202
本研究は,「合成構造用鋼材」の一種である突起付き鋼板のせん断伝達特性を明らかにすることを目的に, 計84体の供試体に対し一定側圧の下での引抜きせん断載荷実験を行い, その破壊形式, 耐荷機構, せん断強度, ずれ変形特性ならびにスタッド併用時の挙動を調べたものである. 供試体は, 平鋼板, 縞鋼板, 線状突起付き鋼板の3種の鋼板を用い, 突起の高さ, 間隔, 個数, 側圧強度ならびにスタッドの有無を実験変数に選び, 得られた結果より各実験変数がせん断伝達特性に及ぼす影響を定量的に評価し,せん断伝達強度の算定式の提案を試みた. さらに, 突起付き鋼板とスタッドとの累加強度特性ならびにリブ鋼板の挙動に関する簡易数値モデルの構築についても検討を加えた.