1998 年 1998 巻 598 号 p. 203-210
振動台は入力地震動を再現する加振装置であるが, 実際意図した波形を忠実に再現することは容易ではない. これは模型が振動台の質量に比べ無視し得ない質量を持ち, 例えば模型の共振振動数に一致するような入力が与えられた場合, 振動台の加振力が不足することが起こり得るからである. このため入力を補正して結果として振動台の動きが意図された地震動に近づくようなイタレーションがしばしば行われる. しかしながら実際, 対象とする構造物がその基礎や地盤と相互作用を起こすことを考慮する場合には, この制御方法は必ずしも適切ではない. ここでは対象構造物とその基礎部あるいは地盤との相互作用を反映させる振動台の制御方法を示し, この手法の効果を確認する基礎実験の成果を紹介する.