テザー衛星システムは, スペースシャトルなどの母船と子衛星が柔軟なテザー (ケーブル) で結ばれたシステムであり, 実験観測や長大宇宙構造物建造にあたって幅広い応用が期待されているが, その柔軟性のために振動が問題となる. 特に, 収納時においては, 発散振動が生じることが知られており, 何らかのアクティブな制振策を導入する必要がある. 本論文では, テザー長の調節による衛星軌道面内の振動制御を対象に, (i) 非線形の運動方程式を線形化した上で最適制御理論を適用する手順の制御則の設計法を構築し, (ii) 軌道面上の動力学を近似的に再現する地上実験により実験的にその有効性を検証した.