1999 年 1999 巻 612 号 p. 349-357
最近, 疲労損傷が発見されるようになってきた鋼I桁橋の主桁と横桁フランジの取付け構造について, 大型の梁試験体 (支間L=6.4m, 桁高H=1.044m) を製作して4点曲げによる疲労試験を実施した. 試験に採用した横桁フランジ取付け構造は, ウェブガセット継手および溶接部のスカラップ形状を変えた3種類の連結板貫通型構造とした. 試験の結果, スカラップを有する連結板貫通型構造の疲労強度はウェブガセット継手に比べ小さく, JSSCの疲労設計曲線G等級よりも小さくなっていた. また, スカラップの径が10mmのディテールに対し, 20mmの径を有するディテールの疲労強度は低かった. さらに, 純曲げ状態での疲労強度に対し, せん断力が作用することにより疲労強度はさらに低くなることが確認された.