2000 年 2000 巻 640 号 p. 193-202
本研究では, 横浜市の高密度強震観測ネットワーク観測点150地点において観測された強震記録と常時微動記録から求めたスペクトル比の基本卓越周期とピーク値を比較した. 強震記録からは, 軟岩がほぼ露頭している5点の記録を用いた基準スペクトルに対する各地点のスペクトルの比を求めた (強震スペクトル比). 常時微動記録からは, 上下動成分に対する水平動のスペクトル比を求めた (H/Vスペクトル比). 両スペクトル比の基本卓越周期は, 地盤特性がほとんど見られない点を除けば, ほとんどの点で等しし値になることを確認した. 強震スペクトル比のピーク値 (As) とH/Vスペクトル比のピーク値 (Ap) は, ばらつきはあるものの正の相関があることがわかり, この関係を回帰するとAs=0.87Apという式が得られた.